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FAカップとは?世界最古のカップ戦の仕組み・カラバオカップとの違い・見方を解説

FAカップとは?世界最古のカップ戦の仕組み・カラバオカップとの違い・見方を解説

FAカップ(エフエーカップ)は、イングランドサッカー協会(The FA)が主催する、1871-72シーズンに始まった世界最古のサッカーの大会です。2026/27はプロからアマチュアまで743クラブが出る勝ち抜き戦で、下のリーグのクラブが強豪を倒す番狂わせが名物です。リーグ戦とも、プレミアリーグとEFLの92クラブだけが出るカラバオカップとも別の大会で、日本ではU-NEXTが独占で配信しています。

この記事では、The FAの公式サイトと大会規程、ウェンブリー・スタジアムや日本サッカー協会(JFA)の公式情報をもとに、大会の仕組み、2026/27の日程、カラバオカップとの違い、賞金、日本からの見方とチケットを表で整理します。あわせて、2011年から2025年までマンチェスター・ユナイテッド公式の日本語サイトの翻訳を担当したスポーツ翻訳者の菅野さんに、FAカップの見どころを聞きました。

この記事でわかること

  • 大会の仕組み:FAカップがどんな大会で、743クラブがどのラウンドから出て、決勝まで何試合あるかが分かります。
  • カラバオカップとの違い:2つのカップ戦の出るクラブ・始まった年・優勝の特典の違いを比較表にしています。
  • 見方とチケット:番狂わせや若手などの見どころ、日本での配信先、決勝チケットの買い方と転売の注意が分かります。
目次

FAカップとは

FAカップは、イングランドのサッカー協会が主催する、国内のクラブならプロもアマも出られる勝ち抜きの大会です。

1年かけて順位を競うリーグ戦とは別に、負けたらそこで終わる「カップ戦」として毎シーズン行われます。菅野さんは、サッカーにあまり詳しくない日本の人にひとことで紹介するなら「世界最古のカップ戦」と答えるそうです。

読み方と正式名称

日本では「エフエーカップ」と読み、FAはイングランドのサッカー協会(The Football Association)の略です。

大会規程での正式な名前は「The FA Challenge Cup」で、2015年から航空会社のエミレーツが冠スポンサーとなり「The Emirates FA Cup」と呼ばれています(The FA 2026-27 大会規程)。The FAは日本の日本サッカー協会(JFA)にあたる団体で、イングランド代表も運営しています。

1871年に始まった世界最古の大会

最初の試合は1871年11月11日で、150年以上続いているサッカーの大会です。

大会は、当時のFAの事務局長チャールズ・W・オールコックの提案で始まりました。The FAは自らの大会を「世界で最も長く続く、勝ち抜き方式のサッカーの大会」と紹介しています(The FA 2021年11月4日)。大会の公式ページでも「サッカーの偉大な大会の最初のもの」と書かれています(The FA FAカップ)。

菅野さんがこの記事でいちばん伝えたいと話したのも、FAカップが世界最古のカップ戦と言われる大会だということでした。

天皇杯とのつながり

日本の天皇杯の始まりには、FAカップを主催するThe FAが関わっています。

1919年3月、The FAが日本に「FAシルバーカップ」を寄贈し、これをきっかけに今のJFAが作られました。1921年11月の第1回全日本選手権(今の天皇杯の第1回)では、このカップが優勝チームに渡されています(JFA 天皇杯の歴史)。2026年度の天皇杯は第106回で、88チームが出る勝ち抜き戦です(JFA 天皇杯 大会概要)。

天皇杯と比べていちばん違うところを聞くと、菅野さんは歴史の長さに加えて、カップ戦にかける下部リーグのサポーターの熱を挙げました。「殺気というか、すさまじいものがある」と話します。

大会の仕組み

予選6ラウンドと本大会8ラウンドを勝ち抜いた1クラブが優勝する、743クラブのトーナメントです。

参加できるのは、プレミアリーグ、EFL(2部〜4部)、その下のノンリーグのうち一定の階層までのクラブです。2026/27は743クラブの参加が認められました(The FA 2026年6月26日)。

8月〜10月 予選(6ラウンド) ノンリーグのクラブが勝ち上がりを争う 11月 1回戦(本大会のはじまり) リーグ1・リーグ2(3部・4部)の48クラブが加わる 1月 3回戦 プレミアリーグとチャンピオンシップの44クラブが加わる 5月 決勝(ウェンブリー・スタジアム) 4回戦・5回戦・準々決勝・準決勝を勝ち抜いた2クラブ
図1 FAカップの流れ(2026/27。The FAの日程と大会規程から作成)

743クラブが出る勝ち抜き戦

試合は1試合で決着をつける一発勝負で、勝ったクラブだけが次のラウンドへ進みます。

大会規程では、予選を6ラウンド、本大会を1回戦から決勝までの8ラウンドに分けています。本大会には、予選を免除された92クラブと、予選を勝ち上がった32クラブが出ます(The FA 2026-27 大会規程)。どのラウンドから出るかは、所属するリーグの階層で決まります。

出るラウンドクラブ数
3回戦(1月)プレミアリーグとチャンピオンシップ(1部・2部)44
1回戦(11月)リーグ1とリーグ2(3部・4部)48
予選4回戦ナショナルリーグ(5部)24
予選2回戦ナショナルリーグ北・南(6部)48
予選1回戦その下のステップ3のリーグ88
エクストラ・プレリミナリー・ラウンドほかさらに下のノンリーグのクラブ残り

The FA 2026-27 予選免除の一覧をもとに作成(2026年10月24日に確認)。

プレミアのクラブは3回戦から

プレミアリーグのクラブが登場するのは、年明けの1月に行われる3回戦からです。

3回戦の組み合わせは抽選で決まり、プレミアリーグのクラブがノンリーグのクラブのホームに乗り込む試合も生まれます。菅野さんは、年明けの3回戦を「年始の風物詩」と呼びます。プレミアリーグそのものの仕組みは、プレミアリーグとは|仕組み・降格・ビッグ6・日本での見方にまとめています。

再試合と延長・PK戦

本大会では引き分けの再試合が無く、同点なら延長30分、それでも決まらなければPK戦です。

The FAは2024年4月、1回戦以降の再試合を2024/25からやめると発表しました。欧州の大会の試合数が増えて日程が詰まったことが理由です(The FA 2024年4月19日)。一方で、予選4回戦までは今も引き分けなら再試合を行います(The FA 2026-27 大会規程)。

2026/27の日程

2026/27は11月7日に1回戦、2027年1月9日に3回戦、5月22日にウェンブリーで決勝です。

2026年10月24日の時点では、予選が終わり、1回戦の組み合わせが10月19日に決まったところです(The FA 2026年10月19日)。

ラウンド日付(現地)
予選(6ラウンド)2026年8月8日〜10月17日
1回戦2026年11月7日(土)
2回戦2026年12月5日(土)
3回戦2027年1月9日(土)
4回戦2027年2月13日(土)
5回戦2027年3月6日(土)
準々決勝2027年4月3日(土)
準決勝2027年4月24日(土)
決勝2027年5月22日(土)・ウェンブリー

The FA ラウンドの日程をもとに作成。日付はそのラウンドの基準の土曜日で、試合は前後の日にも分かれます。

1回戦はノンリーグとEFLの対戦

1回戦は40試合で、3部・4部の48クラブと、予選を勝ち上がったノンリーグの32クラブが出ます。

組み合わせは抽選なので、EFLどうしやノンリーグどうしの試合もあります。2026/27の1回戦では、マクルズフィールドがマンスフィールドと、オックスフォード・シティがレスターと対戦します(The FA 2026年10月19日)。プロのクラブが初めて登場するこの回から、ノンリーグのクラブがプロを倒す番狂わせが起こりえます。

日本時間で見るときの目安

現地の土曜15時キックオフは、日本時間で冬は土曜の深夜0時(日曜0時)です。

イギリスの冬時間は日本との時差が9時間です。2026/27は3回戦から5回戦(1月〜3月上旬)が冬時間にあたり、決勝の5月は夏時間で時差が8時間になります。2025/26の決勝は現地15時、日本時間23時のキックオフでした(マンチェスター・シティ公式 決勝チケット)。

FAカップとカラバオカップの違い

FAカップは743クラブが出る協会の大会、カラバオカップはプレミアとEFLの92クラブだけのリーグの大会です。

イングランドには国内のカップ戦が2つあります。名前が似ているため取り違えやすいのですが、主催者も出るクラブも優勝の特典も違います。

2つの大会を比べる

いちばん大きな違いは出るクラブの数で、ノンリーグのクラブが出られるのはFAカップだけです。

FAカップカラバオカップ(EFLカップ)
主催イングランドサッカー協会(The FA)EFL(イングリッシュ・フットボール・リーグ)
始まり1871-72シーズン1960-61シーズン
出るクラブ743(2026/27・ノンリーグも出る)92(プレミアリーグとEFLだけ)
優勝の特典UEFAヨーロッパリーグの出場権UEFAカンファレンスリーグのプレーオフの出場権
2026/27の決勝2027年5月22日・ウェンブリー2027年3月21日・ウェンブリー
日本の配信U-NEXT(独占)DAZN

The FA 2026-27 大会規程、The FA ラウンドの日程、プレミアリーグ公式 欧州の出場枠、EFLカップの決勝の一覧(Wikipedia)、U-NEXT 2026年7月24日のリリース、DAZN公式 ご案内ページをもとに作成。

重みの違い

タイトルとしての重みはFAカップのほうが上だと、現地では受け止められているというのが菅野さんの見方です。

菅野さんは、FAカップは欧州の大会に出るためのタイトルという位置づけになっている部分もあるとしたうえで、リーグカップよりもFAカップのほうがクラブの歴史に箔がつく、と話します。日本の人が2つを取り違えやすいのは、そもそもリーグ戦とカップ戦の違いが分からない人が多いからではないか、とも話していました。リーグ戦は1年かけて全クラブと当たって順位を決める大会で、カップ戦は負けたら終わりの勝ち抜き戦です。

カラバオカップの最近の優勝

カラバオカップの最多優勝はリヴァプールの10回(2026年3月の決勝の時点)で、2024年にも優勝しています。

最近の決勝では、リヴァプールとチェルシーが2度当たり、どちらもリヴァプールが勝ちました。2026年の決勝はマンチェスター・シティがアーセナルに2-0で勝ち、9回目の優勝を果たしたと報じられています(EFL公式 2026年3月22日)。

決勝の年優勝準優勝
2022年リヴァプールチェルシー
2023年マンチェスター・ユナイテッドニューカッスル
2024年リヴァプールチェルシー
2025年ニューカッスルリヴァプール
2026年マンチェスター・シティアーセナル

EFLカップの決勝の一覧(Wikipedia)をもとに作成(2026年10月24日に確認)。通算の優勝はリヴァプール10回、マンチェスター・シティ9回、チェルシー5回。

番狂わせ(ジャイアントキリング)が名物

下のリーグのクラブが上のクラブを倒す「ジャイアントキリング」を、主催者が毎シーズン表彰している大会です。

一発勝負で、くじ引きで下のクラブのホームになることもあるため、力の差がそのまま結果に出るとは限りません。番狂わせが名物であることは、The FAが毎シーズン、いちばんの番狂わせを起こしたクラブに「ロニー・ラドフォード・ジャイアントキラー賞」を贈っていることにも表れています(The FA 2015年4月17日)。菅野さんも、番狂わせが「結構な割合で起こる」ので目が離せない大会だ、と話します。

マクルズフィールドが前年王者を倒した

2026年1月10日の3回戦で、6部のマクルズフィールドが前年王者のクリスタル・パレスに2-1で勝ちました。

マクルズフィールドはナショナルリーグ北に所属するノンリーグのクラブで、プレミアリーグのパレスとはリーグの順位で117の差がありました。The FAによると、前年王者がノンリーグのクラブに負けたのは、1908-09シーズン以来です(The FA 2026年1月10日)。菅野さんは、最近いちばん印象に残っている番狂わせとしてこの試合を挙げ、「10年に一度、20年に一度」の出来事だったと話します。

歴史に残る番狂わせ

FAカップの歴史には、ノンリーグや最下位のクラブが1部の強豪を倒した試合がいくつもあります。

年試合ラウンド何が起きたか
1972年ヘレフォード 2-1 ニューカッスル3回戦の再試合ノンリーグのクラブが1部のクラブを破った
1989年サットン・ユナイテッド 2-1 コヴェントリー3回戦ノンリーグのクラブが、2年前の優勝クラブを破った
1992年レクサム 2-1 アーセナル3回戦旧4部の最下位近くのクラブが、前のシーズンのリーグ王者を破った
2017年バーンリー 0-1 リンカーン・シティ5回戦ノンリーグのクラブが1914年以来の準々決勝へ進んだ
2026年マクルズフィールド 2-1 クリスタル・パレス3回戦6部のクラブが前年王者を破った

The FA 2023年1月4日、The FA 2017年2月18日、The FA 2026年1月10日をもとに作成。

ここでいう「ノンリーグ」は、プレミアリーグとEFLの計92クラブより下のリーグのことで、今は5部のナショナルリーグから下を指します。菅野さんは、ジャイアントキリングやノンリーグはカタカナのまま日本のサッカーファンに通じる言葉なので、翻訳でも言い換えずにそのまま使っていたそうです。

勝った側と負けた側の受け止め

同じ番狂わせでも、勝った小さなクラブには「史上最高の一日」、負けた強豪には「歴史に残る汚点」になります。

菅野さんは、現地の受け止めはどちらの立場に立つかで雲泥の差があると話します。勝った側の報道には「奇跡の勝利」「100年に一度の大番狂わせ」のような見出しが並び、負けた側にとってはクラブの歴史に確実に残る出来事になるそうです。下のクラブの選手とサポーターが「どうにかして大物を食ってやろう」という気持ちで満ちる空気は、リーグ戦とはまったく違うと菅野さんは言います。

小さなクラブにとってのお金

FAカップは、勝ち進むたびに賞金が入り、強豪とホームで当たれば入場料も分け合える、小さなクラブの大きな収入源です。

ラウンドごとの賞金

2026/27の賞金は、3回戦で勝つと12万1,500ポンド、優勝すると212万ポンドです。

ラウンド勝ったクラブ負けたクラブ
予選1回戦2,250ポンド750ポンド
予選4回戦9,375ポンド3,125ポンド
1回戦4万7,750ポンド1万5,800ポンド
2回戦7万9,500ポンド2万1,200ポンド
3回戦12万1,500ポンド2万6,500ポンド
準々決勝47万7,000ポンド―
準決勝106万ポンド53万ポンド
決勝212万ポンド(優勝)106万ポンド(準優勝)

The FA 2026-27 賞金をもとに作成(2026年10月24日に確認。表は一部のラウンドを抜き出し)。

賞金とは別に、テレビ中継のある試合に出たクラブには中継料も入ります。2026/27の1回戦では、中継される8試合に出る16クラブに1クラブ5万ポンドが払われます(The FA 2026年10月22日)。

入場料の分け方

入場料は経費を引いて両クラブで半分ずつ分け、3回戦から準々決勝のノンリーグ対プロの試合はノンリーグが55%を受け取ります。

大会規程では、入場料から税金やアウェイのクラブの交通費・宿泊費などを引いた額を、ホームとアウェイで等しく分けると決めています。ノンリーグのクラブがプレミアリーグかEFLのクラブと当たる3回戦から準々決勝の試合だけは、ノンリーグのクラブが55%、プロのクラブが45%です(The FA 2026-27 大会規程 第230条)。小さなクラブが強豪のスタジアムに乗り込んでも、満員の入場料の半分以上が入る仕組みです。

たった1試合が町を変える

強豪を小さなクラブのホームに迎える1試合は、町全体のお祭りになると菅野さんは話します。

強豪を迎える小さなクラブのホーム戦では、チケットがすぐに売り切れ、周りの商売まで一気に盛り上がるので、FAカップがもたらす経済の効果は小さくないというのが菅野さんの見方です。日本の人がいちばん想像しにくいのは、たった1試合のカップ戦が、ひとつの町やコミュニティにどれだけのお金を落とし、どれだけの熱量で町を包み込むのかというところだろう、と話していました。

若手とライバル対決の見どころ

FAカップでは、強豪の若手や控え選手の起用と、久しぶりに実現するライバル対決が見どころです。

若手が試される場

過密日程の中のカップ戦は、強豪の若手が力を示す絶好の場だと菅野さんは話します。

菅野さんは、イングランドのファンは育成組織からトップチームへ上がってくる若手を温かく応援していて、チャンスをもらった若手の背中を「やってみろ」と押す気持ちで送り出していると話します。菅野さんによれば、大きなクラブは高い移籍金で選手を獲るので、実力があっても若手は使われにくいのが今のイングランドの流れです。だからこそ、カップ戦で結果を出した若手がチーム内の競争に加わっていく姿は、ファンにとって大きな楽しみだといいます。菅野さんは、若手を使うことでカップ戦の面白さはむしろ増えていると見ています。

何年かぶりのライバル対決

下のリーグに落ちたクラブと因縁の強豪が何年かぶりに当たる試合を、菅野さんはいちばんに挙げます。

初めて見る人にすすめたい組み合わせを聞くと、菅野さんはライバル対決を挙げました。同じプレミアリーグで当たり続けているライバルどうしの試合はもちろん、片方がリーグを落ちていった因縁の相手と、くじで久しぶりに当たる試合は「否が応でも絶対に盛り上がる」ので自分でも見たいと話します。マンチェスター・ユナイテッドの公式サイトでは、対戦相手が決まると、過去に当たった試合を掘り下げる記事が毎年増えていたそうです。

ウェンブリーの決勝と優勝の特典

決勝は約9万人が入るウェンブリー・スタジアムで行われ、優勝クラブには欧州の大会への出場権が与えられます。

約9万人が集まる決勝

ウェンブリーは9万席あり、イギリス最大のスポーツ会場です(ウェンブリー・スタジアム公式)。

菅野さんは、サッカーの聖地ウェンブリーでの決勝を、現地の人にとっては年に一度のフェスティバル、勝ち上がった2クラブのサポーターにとっては運命の一戦だと話します。初めてのタイトルや史上初の決勝進出がかかるクラブもあり、見に行く人の人生に影響を与える一日になりうるといいます。

決勝の会場の歴史や数字、最寄り駅とスタジアムツアーは、ウェンブリー・スタジアムの解説で詳しく扱っています。

ヨーロッパリーグとコミュニティ・シールド

優勝クラブは次のシーズンのUEFAヨーロッパリーグに出られ、FAコミュニティ・シールドでリーグ王者と戦います。

優勝クラブがリーグの順位でチャンピオンズリーグなどに出ることが決まっている場合、ヨーロッパリーグの枠は準優勝のクラブではなく、リーグで欧州の大会が決まっていない最上位のクラブに回ります。2025/26はマンチェスター・シティが優勝してチャンピオンズリーグに出るため、ヨーロッパリーグの枠はリーグ6位と7位のクラブに回りました(プレミアリーグ公式 2026年5月27日)。2026年8月のコミュニティ・シールドは、リーグ王者のアーセナルがシティに3-0で勝っています(The FA 2026年8月16日)。

最近の優勝クラブ

2025/26の優勝はマンチェスター・シティで、決勝でチェルシーに1-0で勝ちました。

2024/25の決勝では、クリスタル・パレスがマンチェスター・シティに1-0で勝ち、クラブ初の優勝を果たしました(The FA 2025年5月17日)。2025/26はシティが後半のセメンヨのゴールでチェルシーを下し、8回目の優勝です(The FA 2026年5月16日)。前年王者として臨む2026/27のシティは、ほかのプレミアリーグのクラブと同じく2027年1月の3回戦から登場し、日本ではU-NEXTで見られます。

シーズン優勝クラブ
2015/16マンチェスター・ユナイテッド
2016/17アーセナル
2017/18チェルシー
2018/19マンチェスター・シティ
2019/20アーセナル
2020/21レスター・シティ
2021/22リヴァプール
2022/23マンチェスター・シティ
2023/24マンチェスター・ユナイテッド
2024/25クリスタル・パレス
2025/26マンチェスター・シティ

ESPN 2026年5月16日、The FA 2025年5月17日、The FA 2026年5月16日をもとに作成。

決勝の日のスーツ

決勝の日には、選手たちが仕立てたスーツでウェンブリーに入る姿も見どころです。

菅野さんが翻訳を担当していたマンチェスター・ユナイテッドでは、決勝のためにあつらえたスーツに選手全員が身を包んでスタジアムに入るそうです。ユナイテッドとポール・スミスの提携は2008年から続いていて(マンチェスター・ユナイテッド公式 ポール・スミス)、2023年のFAカップ決勝の前にもポール・スミスのスーツが公開されました(マンチェスター・ユナイテッド公式 2023年)。菅野さんは、どんなスーツを着てくるか、そのたたずまいのかっこよさもぜひ見てほしいと話します。

FAカップに憧れて育った選手もいます。2014年にユナイテッドに加わったアンデル・エレーラは、2017年にFAカップを「運営のおかげで世界で一番すばらしいカップ戦」と話し(The FA 2017年2月18日)、2018年4月の準決勝ではトッテナム戦で決勝点を決めています(The FA 2018年4月21日)。菅野さんは、下のクラブが強豪に勝つことがいちばんの魅力だとエレーラがFAカップの時期になるたびに話していたのを覚えているそうです。

日本人選手とFAカップ

2024/25は鎌田大地が先発した決勝でクリスタル・パレスが優勝し、2025/26は田中碧が準々決勝で先制点を挙げました。

三笘薫と鎌田大地の2024/25

2024/25は、三笘薫が4回戦で決勝点を挙げ、鎌田大地が決勝に先発して優勝しました。

ブライトンの三笘は2025年2月8日の4回戦のチェルシー戦で、逆転の決勝点を決めたと報じられています(サッカーキング 2025年2月13日)。クリスタル・パレスの鎌田は5月17日の決勝に先発してフル出場し、FAカップの決勝に先発して優勝した初めての日本人選手になったと伝えられています(サッカーキング 2025年5月18日)。

田中碧の2025/26

2025/26は、リーズの田中碧が準々決勝のウェストハム戦で先制点を決め、チームは39年ぶりの準決勝に進みました。

試合は2-2からPK戦でリーズが勝ったと報じられています(サッカーキング 2026年4月6日)。2026/27も、プレミアリーグやチャンピオンシップでプレーする日本人選手は、1月の3回戦から登場します。

日本での見方とチケット

日本では2026/27のFAカップをU-NEXTが独占で配信し、カラバオカップはDAZNで見られます。

U-NEXTとDAZN

2026/27は、FAカップがU-NEXTの「サッカーパック」(月額2,600円)、カラバオカップがDAZNです。

U-NEXTは2026/27の配信予定で、FAカップとコミュニティ・シールドに「独占」と付けています(U-NEXT 2026年7月24日のリリース、U-NEXT サッカーパック)。何回戦から配信するかは書かれていませんが、2025/26は3回戦以降の全試合を独占で配信したと報じられています(サッカーキング 2026年1月6日)。料金は2026年10月24日に確かめたものです。カラバオカップは、2026/27もDAZNのサッカーの配信一覧に入っています(DAZN公式 ご案内ページ)。リヴァプールの試合を日本で見るなら、カラバオカップはDAZN、FAカップとリーグ戦はU-NEXTと、大会ごとに見る場所が分かれます。配信先の移り変わりや料金は、DAZNでプレミアリーグは見られる?2026/27の配信先とカップ戦・無料で見る方法で詳しく比べています。

無料で見られる範囲

FAカップの試合を無料でライブ中継するサービスは、2026年10月24日に編集部が確かめた範囲では見当たりません。

無料で見られるBS11の「WEEKLYワールドサッカー」は、番組の案内ではプレミアリーグとラ・リーガの試合を扱うと書かれていて、FAカップは挙がっていません(BS11 WEEKLYワールドサッカー)。2025/26は、スポーツナビにFAカップのショートハイライト動画が載った例がありますが、どの試合が載るかや公開の期間は決まっていません。試合の中継をしっかり見るなら、U-NEXTのサッカーパックが前提になります。

年明けの3回戦から追う

これから見始めるなら、プレミアリーグのクラブが登場する年明けの3回戦から追うのがおすすめです。

菅野さんは、3回戦から好きなクラブの若手が出てくるかを見たり、ノンリーグのクラブの勝ち上がりに驚いて1回戦や2回戦までさかのぼって追ったりする見方をすすめます。聞いたことのないクラブと当たるときは、どんな選手がいるかを自分で調べるそうです。ノンリーグの選手が昼間にどんな仕事をしているかが現地の報道で話題になることもありますが、そうした記事を日本語に訳して届ける日本のメディアはめったに見かけない、と菅野さんは話します。

チケットの買い方と転売の注意

FAカップのチケットは試合ごとにホームのクラブが売り、決勝のチケットは勝ち上がった2クラブに割り当てられます。

1回戦から準決勝の前までは、ホームのクラブが自分の窓口で売ります。3部のポート・ヴェイルが2026年1月の3回戦のホーム戦で売った大人のチケットは15ポンドでした(ポート・ヴェイル公式)。決勝はクラブごとに割り当てがあり、2025/26はマンチェスター・シティが3万2,362枚を受け取り、シーズンチケットの会員などに売って完売しています。

席の種類(2025/26決勝・シティ側)大人65歳以上・18歳未満
Level 2 Premium285ポンド265ポンド
Level 2255ポンド235ポンド
Category 1175ポンド165ポンド
Category 2125ポンド115ポンド
Category 380ポンド70ポンド
Category 450ポンド40ポンド

マンチェスター・シティ公式 決勝チケットをもとに作成(2026年10月24日に確認)。

マンチェスター・シティの案内では、決勝のチケットは本人だけが使え、ほかの人の名前のチケットでは入場を断るとされています(マンチェスター・シティ公式 決勝チケット)。イギリスでは、許可なく指定されたサッカーの試合のチケットを売ることは法律で犯罪とされています(1994年刑事司法・公共秩序法 第166条)。公式の窓口以外で売られているチケットは使えないおそれがあります。プレミアリーグの試合のチケットの取り方は、プレミアリーグのチケットの取り方にまとめています。

リーグ戦のほうの仕組みはプレミアリーグとはで、日本での配信はDAZNでプレミアリーグは見られる?で、現地で見るときのチケットはプレミアリーグのチケットの買い方で詳しく説明しています。

よくある質問

名前の似たメニコンカップはFAカップと別の大会で、FAカップの最多優勝はアーセナルです。

Q. メニコンカップはFAカップと関係がありますか?

A. 関係はありません。メニコンカップは、日本サッカー協会などが主催する「日本クラブユースサッカー東西対抗戦(U-15)」で、中学生年代のクラブチームの選手が東西に分かれて戦う大会です(JFA メニコンカップ2026 大会概要)。

Q. FAカップでいちばん多く優勝したクラブはどこですか?

A. アーセナルの14回で、マンチェスター・ユナイテッドの13回が続くと報じられています(ESPN 2026年5月16日)。2025/26のマンチェスター・シティの優勝は8回目です。

Q. 試合はどちらのクラブのスタジアムで行われますか?

A. 準々決勝までは、抽選で先に名前を引かれたクラブのホームで行うのが基本です。準決勝と決勝は、The FAが選んだ会場で行うと大会規程で決まっていて、2026/27の決勝はウェンブリーです(The FA 2026-27 大会規程 第60・72条)。

Q. 決勝の入場料は、出場した2クラブに入りますか?

A. 直接は入りません。大会規程では、決勝の入場料は経費などを引いたうえで90%をThe FA、10%を「プール」と呼ばれる分配用の基金に回すと決めています。準決勝は2試合分を合わせ、58.5%を4クラブで等しく分けます(The FA 2026-27 大会規程 第243・244条)。

Q. イングランド以外のクラブもFAカップに出られますか?

A. イングランドのリーグで戦うウェールズのクラブは出ています。大会規程にも「大会に出るウェールズのクラブ」という書き方があり(The FA 2026-27 大会規程 第111条)、レクサムが1992年にアーセナルを破った試合はFAカップの名勝負の1つです。

Q. 女子のFAカップはありますか?

A. あります。女子は別の大会「Adobe Women’s FA Cup」として行われ、決勝はウェンブリーで開かれます。2025/26の決勝は2026年5月31日でした(The FA 2026年2月23日)。

参考情報

この記事の大会の仕組みと日程は、The FAの公式サイトと2026-27の大会規程で確かめました(2026年10月24日)。自分でもサッカーを始めたい人は、全国のサッカースクール検索で近くのスクールを探せます。

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この記事を書いた人

Takayuki Kannoのアバター Takayuki Kanno スポーツ翻訳者/サッカーアカデミージャパン執筆・監修

サッカーアカデミージャパンの執筆者・監修者。フリーのスポーツ翻訳者として2004年から活動。マンチェスター・ユナイテッド公式サイト・SNSの日本語版を15年間(2011〜2025年)担当し、毎日のニュースや試合レポートを日本のファンに届けてきた。Olympics.com 日本語版で東京、北京、パリ、ミラノ・コルティナ大会担当を歴任。R&A(全英オープン・AIG女子オープン)公式サイトの日本語訳とSNS運用(2026年)も担当。海外サッカーの一次情報を、元の発表にあたって日本語で解説する。San Diego State University 出身。

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